私は、子どもの頃からゲームをしない。興味がない。
ゲームというのは、ハンカチ落としとか カン蹴りとか、屋外で身体を動かすのじゃなく 画面を見ながら 主に室内でやるアレだ。
本当は「興味がない」のではなく、うまくできないのだ。
ボタンをうまく押して 先に進んだり、敵を倒したり。画面を見ながら、手が器用に動かない。宝物探しも あちこち探すのが、面倒になってしまう。
元来の超不器用と、根性なしだからだろう。
9才の息子が、2年くらい前から ゲームに夢中だ。
自分が楽しいと思うことを、誰かに話したい。楽しさをわかちあいたいと、私に話してくれる。
最近は 慣れたが、最初の頃は戸惑った。
朝 起きてきて、挨拶もそこそこに「お母さん、昨日 オレね 戦って、やっと勝ったんだ」
「オレ、お金とったんだ」
なに!?我が子は、私の知らぬところで 傷害と窃盗事件を起こしたのか!?
えっ!?何処で!?相手は!?学校の先生知ってるの!?お金?今持っているなら、すぐ出しな!
コントじゃない。知らないということは、そういうことだ。ホントに。
先日も、自分が苦労してあつめたお宝を1つ1つ公開してくれた。100近くあるのだという。
正直、やっぱり分からない。
お宝を探す苦労話を、ゲーム画面を示して説明してくれた。
「ほら、周りに何にもないだろう?それがさ、この地面を掘ると ほらぁ~あるんだよ」
「YouTubeでさ、ここにあるって言ってて"よっしゃあ~"と思って、すぐ掘ったんだ!」
「他にもさ、この壁を叩くんだよ。そうしたら、ほらぁ~」
ゲームの主人公は、壁をたたいて 穴を掘って。土地の所有者は了解済みなのか?
こんなにも、ジャンプができるなら オリンピックを目指したら どうか?金メダル間違いなしだ。その方が、生活も安定するぞ。
あぁ、風呂掃除しなきゃ。夕飯、何しよう。
この話、まだ続きそう?長いな。
「へぇ~スゴいね~」
「ボタン操作が上手だね~」
と言いながら、実は そんなことを考えていた。イヤな母だ。
話す彼の横顔は、キラキラしていた。
こうやって、彼が私に話してくれるのは 貴重なことかもしれない。思春期になったら、こんな風には話してくれないだろう。
このブログを書いていたら、そう思った。
よし 彼が帰宅したら、今のゲームの進み具合を聞いてみよう。
わたしも、誰かに話したくて 話したくて仕方ないことを見つけたいなぁ。見つけなきゃ。